1968年
学生運動は警察権力の前に記録的な惨敗を喫す。
事態を憂えた全学連首脳部は、
ひとつの闘争方針を採択し、起死回生をはからんとする。

神田カルチェラタン闘争。
そして、それと連動して斗われる東大闘争の貫徹。

1969年
東大は入試を中止した。
まもなく、学生運動の帰趨を結するであろう、
安田講堂攻防戦が始まろうとしていた。


この物語は、その学生たちのひとりが主人公である。
速水厚志 1949年生まれの19歳の学生。
特別な能力があるわけでもなければ、勇者でもない。