レビュー 「GUNDRESS」(1999,日本)
監督:谷田部勝義/原作:天沢 彰(ORCA)/キャラデザ:青木哲朗/設定協力:士郎正宗 脚本:ORCA、伊崎健太郎、坂井純一、藤家和正
この作品の見所は、完成していないのに公開されてしまった、という一点に尽きる。
なにかすごいのかな?、そう思えるのは冒頭1分ぐらいである。
・完成した部分だけをループさせたことによる挙動不審な動きをするシーンが複数ある。 ・動画チェック用なのか、識別用の色以外塗られていない部分が多数(後半ほど酷い)。
だが、この「GUNDRESS」のすごさはその目に見える部分だけには留まらない。 ジャンル的には「対テロ部隊VSテロリスト」もので、それにメカと銃と女の子が出てくるもの、既存の作品で言うならば「ガルフォース地球章」や「バブルガムクライシス」「アップルシード」、あるいは「サイレント・メビウス」などの流れにつらなる作品である。
そういう流れを汲む物であるから、ストーリーはその少女達が苦闘しつつ敵に勝利する、というものになる。
その原因は簡単である。詰め込み過ぎなのだ。
カタログを見ればキャラクターにも、世界にもちゃんと設定があるのだけれど、活かし切れていない、というか設定しただけで満足してしまっているような雰囲気すら感じてしまう。 その割には「お前ら、調べて書いてないだろ」と言いたい部分もかなりあってツッコミたいのだが、その辺はもう始めるときりがないのでカット。 家に帰ってから心を癒すために見た「カウボーイビバップ」の方が作画も、話も、数十段上だったのは言うまでもない。
なお、入場するときには「いいんですね」と念を押された上で完成版ビデオの引換券兼お詫びの紙、というものをもらえた。 |