Pinky:st.(ピンキーストリート)に関してのよくある質問とそれへの答え。
Part2 改造やメンテナンスについて
text:くわね@まるち(元384)
最終更新:20041004
Pinky:st.はPVCという素材で出来ています。PVCはプラに比べればいささか気難しい素材のため、模型店では販売されている塗料の中でも使えるもの、使えないものがあります。以下の表を参考にして選んでみてください。
また、各塗料の使用時のノウハウ(とくにスプレー塗料について)は、模型専門誌や模型サイトを参考にすると良いかと思います。
適/不適 | 種類 | 形態 | 代表的な商品 | 備考 |
○ | アルコール系塗料 | ペン | ガンダムマーカー | ペンだけに手軽。但し塗りムラも出来やすい。 |
○ | ラッカー系塗料 | 瓶入り塗料 | Mr.COLOR、ガンダムカラー | 筆塗りあるいはエアブラシ用としては、最も適していると思われる。 |
○ | ラッカー系塗料 | スプレー | タミヤカラースプレー、Mr.COLORスプレー 他 | 塗装時はサーフェイサー(下塗り塗料)を拭いたほうが無難だが、そのまま吹いても何とかなる。 |
△ | アクリル系塗料(水性塗料) | 瓶入り塗料 | タミヤアクリルカラー、水性ホビーカラー など | PVCに対してはノリが悪いといわれている。使わないほうが無難。 |
× | エナメル系塗料 | 瓶入り塗料 | タミヤエナメルカラー など | PVCに使用するとベタついたまま乾燥しない。 |
○ | ソフビ用塗料 | 瓶/スプレー | Vカラー | ソフトビニール専用塗料。食いつきは最高だが色数が少ない上、売っている場所が限られる。 |
△ | 油性塗料 | ペン | マジックインキなど | 油性塗料はあとで滲む可能性が高いため、使用しないのが無難。 |
暗い色の上から明るい色を塗るときなど、元の塗装を落としたい場合には、下記のような方法があります。
1)瞬間接着剤はがしを使用する。
2)Vカラーシンナー(通称「Vカラシ」)を使用する。
いずれの方法もPVCを侵す可能性が高いため、1)の場合は布などにとってこすり付ける、2)の場合は筆塗りをするなどの方法をとるのが無難。
特にVカラーシンナーは表面に非常に細かいヒビを生じる場合があります。
また、マニキュアはがしも種類によっては使用できるようですが、「どれ」と指摘できないためにここでは扱いません。
タンポ印刷(細かいマーク)を落とすだけであれば、ガンダムマーカー消しペンや、エタノールなどがよいでしょう。
ピンキーの肌色については、Mr.COLORの「レドーム」をベースに同じくMr.COLORの「オフホワイト」「キャラクターイエロー」を適宜ミックスすることで、かなり近い色を作ることが出来ます。
逆にキャラクターフレッシュ(肌色)をベースとした場合、かなり赤が強くなってしまいます。
髪の色については現在調査中です。申し訳ありません。
塗装が面倒、という場合はシールやデカールを使うのも効果的です。文具店などで販売されているファンシーシールの他、模型用のウォーターデカールも有効です。
既存パーツの改造や、他のフィギュアからのボディ流用を行う場合、最低限以下のようなものがあればよいでしょう。
プラと違い、PVCはヤスリで仕上げることが難しい素材です(やすると毛羽立ってしまうため)。ナイフで大まかに削ってからパテなどを盛り、その部分をやすって仕上げるという方法をとる、あるいはVカラーシンナーなどで表面を軽く溶かしてから目の細かい紙やすりで磨いて仕上げていくという方法が良いでしょう。
ナイフで削る際、削り難い場合は一度冷凍庫などで冷やしてやると良いようです。
ピンキーの改造には、以下のような材料が使えます。
塗料同様、詳しい使い方は模型誌やHow to本、専門サイトなどを参照してください。
下記のような模型材料以外に、布や革、紙などを使ってパーツを作ることも出来ます。
模型店以外の、手芸店などからも発見はあると思います。
目的 | 種類 | 代表的な商品 | 解説 |
細かい改造(襟の造形など) | エポキシパテ | タミヤ「エポキシパテ」、WAVE「ウェーブエポキシパテ(軽量パテ)」、GSIクレオス「Mr.軽量エポキシパテ」 ほか | 2つのペーストを混ぜて使用するタイプのパテ。細かい部分の造形に向く。ピンキーの改造ならば、まずはこれがあれば大概は大丈夫。少量を使用する場合は硬化不良に注意。 |
仕上げ | プラパテ | GSIクレオス「Mr.ホワイトパテ」 ほか | やわらかいペースト状のパテ。細かいキズなどを埋めるのに用いるが、無理に用意する必要はない。 |
盛り付け/スキマ埋め | 瞬間接着パテ | 「アルテコ瞬間接着パテ」 | 値段は高いがとにかく便利。盛りつけて削る、といった使い方になる。ある程度の形を作ることも出来る。硬化不良がほとんどないのも魅力。 |
盛り付け | ファンド | アートクレイ「ファンド」 | 粘土の一種。混ぜずに使えるので手軽。小物作りなどにも向く。 |
フルスクラッチなど | ポリパテ | タミヤ「ポリエステルパテ」、ワークアソシエィション「スベスベ」 ほか | ポリパテはパテに硬化剤を混ぜて硬化させる。大まかな形を作ってから硬化後に削って成形していくことになるので。パーツの自作など、大掛かりな作業に。 |
芯材 | 油粘土 | 「ほいく粘土」など | 直接使うわけではなく、スカートを延長したりする場合に盛付の「芯」として使う。持っておくと便利かもしれない。 |
ピンキーは、絶妙にディフォルメが効いているために、ボディの長さなどのおおまかなサイズさえあっていれば他のカプセルトイなどのボディを簡単に流用することが出来ます。流用するために一番簡単な方法は「首の部分に3mmの穴をあける」。それだけです。
もう少し凝りたい場合は、上半身とスカートを流用しつつも足はピンキーにする、などとすればかなり「らしく」仕上がるでしょう。
現状、ピンキー専用の帽子は006に含まれるキャスケットだけですが、それでは物足りないという場合は、1/6スケール(12インチ)のアクションフィギュア用、あるいは27cmドール用として発売されている各種の帽子やヘルメットを流用することが出来ます。
ドール用のものには単品売りのものも多いのですが、アクションフィギュア用の帽子となると、こちらは一部の専門店で行われているルーズパーツの販売(パーツのみのバラし売り)をアテにする他無いでしょう。
帽子同様に、1/6スケール(12インチ)のアクションフィギュア用、あるいは27cmドール用として発売されているものが流用可能です。もっとも普及しているのはコトブキヤ製のエッチングパーツでしょう。
表面のシワは「ウェルド」といわれるPVC成型品の宿命のようなものです。
第2シリーズ発売以降の生産分では特に大きな問題になってはいませんが、第1シリーズの初回生産分は顔にシワが入っているものが多く、ファンの間で(悪い意味で)話題となりました。
対処法としては、コンパウンドなどで磨くなどして症状の改善を計るか、あきらめて可愛いと思ってみるほかはないでしょう。
何度も組み替えたりしているうちに、ジョイントのあわせが甘くなることがありますが、その場合はジョイントの凸側にうすく瞬間接着剤を塗る、細い金属線をジョイント部の軸とする、などの手段をとることで状況を改善できます。
また、シリーズ3のジャージとシリーズ2のプリーツスカートのように、形状的に組み合わせにくいパーツも一部に存在します。