ここは、見たり聞いたり読んだり飲んだり食べたりしたものへの雑感を
微妙にテイストニュース風に書いていこうかと思う場所です。
ここの文章は適宜他のコーナーに再利用していくことも視野に含めつつ。
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片瀬二郎「スリル」 | 010829 |
この小説は「ゲーム」を題材にしており、なおかつ「ホラー」である。とはいえ「クリス・クロス」のようなタイプの小説ではない。もう少し不条理な、そう「バトル・ロワイアル」のような暴力的な不条理さを持ったゲームの小説である。
しかし「バトル・ロワイアル」が乾いていたとすれば、これは湿っている。あるいは作中の表現を借りるならば「ぬめぬめ」である。そして文章を読んでいる間中、些細なことが気にかかる。文章の中の些細なことではない。文章を読んでいる自分が感じる些細なことである。作中で「兆候」と呼ばれるもの。それを見逃した結果登場人物達にふりかかる災厄があたかも自分にまで降りかかってくるかのように。目の前で乗れそうだった電車のドアが閉まること。乗った電車の中で子供が騒ぐこと。誰かが缶ジュースでもこぼしたのか床がべたついていること。なんでもいい。些細なことが気になるのだ。本の中から現実が侵食されているかのように。
片瀬二郎「スリル」
ENIX(ENIX EXNOVELS)/2001年8月3日初版 新書版/1300円/ISBN:4757504829 |
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いろいろ | 010828 |
最近(一月前くらいのもあるけど)読んだ本について色々。
その1「戦闘糧食の三ツ星を探せ」
その2「さすらいエマノン」
その3「Missing 神隠しの物語」
その4「Tweleve Y.O.」
大久保義信「戦闘糧食の三ツ星を探せ」 光人社/2001年7月9日初版 A5/2300円/ISBN:4769810083
梶尾真治「さすらいエマノン」 徳間書店(徳間デュアル文庫)/2001年2月28日初版 文庫版/562円/ISBN:419905037X
甲田学人「Missing 神隠しの物語」 メディアワークス(電撃文庫)/2001年7月25日初版 文庫版/570円/ISBN:4840218668
川又千秋「幻詩狩り」 中央公論社(中公文庫)/1985年11月初版(絶版) 文庫版/524円/ISBN:4122012716
福井晴敏「Tweleve Y.O.」
講談社(講談社文庫)/2001年6月15日初版 文庫版/648円/ISBN:4062731665 |